米空軍の訓練コスト削減に役立つ訓練用爆弾を3Dプリント

米空軍の訓練コスト削減に役立つ訓練用爆弾を3Dプリント
出典: リファレンスニュース

リファレンスニュースは11月27日、米メディアが3Dプリンターの使用によりイギリスでの米空軍兵器訓練のコストが大幅に削減されたと報じた。

星条旗新聞のウェブサイトは11月25日、3Dプリンターにより、英国レイクンヒース空軍基地の米軍爆弾処理班員と兵士が訓練用装備を入手するのに必要な時間とコストが大幅に削減されたと報じた。

報道によると、ウィリアム・リドル軍曹は、レイクンヒース基地に駐留する米空軍第48戦闘航空団の将校や兵士の訓練用に、即席爆発装置、ロケット弾、迫撃砲弾を模擬できる訓練用爆弾を3Dプリンターで製作しており、これにより米国からの訓練用装備の輸送にかかるコストと時間を大幅に削減しているという。

こうした模擬兵器が製造され、米国から出荷される場合、「米空軍将校25人に対する1年間の兵器訓練には約6万ドルの費用がかかる」とリーデル氏は語った。

しかし第48戦闘航空団は声明の中で、訓練飛行に3Dプリンターを使用すればコストを96パーセント削減できると述べた。

同報道によると、同航空団の広報担当ミランダ・シモンズ大尉は、レイクンヒースでの訓練用資料の印刷によって時間も節約できると語った。

「従来の調達方法では約30日かかる作業が、3Dプリントを使えば24~48時間で完了する」とシモンズ氏は電子メールで述べた。



ファイル写真: 米空軍の兵士が 3D プリンターを使用して訓練用コンポーネントを「印刷」している。

この新システムは、EOD要員が配備場所で潜在的に実弾に対処するために費やす時間を削減するため、安全性も向上します。「配備時間が短くなり、危険にさらされる時間が短くなります。彼らは任務を完遂し、無事に帰還することができます」とリーデル氏は述べました。

リーデル氏は、3Dプリントシステムは習得も簡単だと語った。 「3Dプリントを一度も使ったことがない人でも、5分間のチュートリアルを行えば簡単にプリントできるようになります」と彼は語った。

報道によれば、リーデル氏は自身のアイデアについて、在欧米空軍の革新・変革委員会に報告する予定だという。

委員会がこの案を承認すれば、このシステムは戦域全体の「爆発物処理チーム」に利用可能になるだろうと、欧州駐留米空軍の広報官クリストファー・ボウヤー・ミード大尉は語った。


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実際、アメリカ空軍は3Dプリントという新しい技術を非常にうまく活用しています。Antarctic Bearはこれまで、効率向上とコスト削減のために3Dプリントを活用しているアメリカ空軍に関するレポートを何度も発表してきました。

今年 5 月、米国空軍の Rapid Sustainment Office (RSO) は、ポリマーおよび金属付加製造部品を含む 17 個の付加製造部品を C-5 スーパーリフト航空機に取り付けました。 RSOは、C-5プログラムオフィス、航空輸送軍団、および輸送機を運用する第436空輸航空団のエンジニアと協力し、新しいアルミニウム製の密閉式保持ハンドルを含むさまざまな部品を設置しました。これらは、積層造形の利点を最大限に活用できるように再設計されました。

エンジニアたちは、ハンドルをより人間工学的に、より軽く、より安全に再設計したと述べている。彼らは製造時間を短縮し、機体の誕生以来使用されてきた多層塗装方式を変更して、コスト削減を継続することができました。





2018年7月、米空軍は、現在も運用中のベトナム戦争当時の軍用貨物機のうち1機の便座を交換する必要があると明らかにした。従来の方法で新しい便座を交換すると1万ドルの費用がかかりますが、3Dプリントされた便座を使用することで、費用はわずか300ドルとなり、コストは97%削減されました。



△空軍(アメリカ空軍)が使用するC-5ギャラクシー貨物機のトイレ蓋


2018年4月、米海軍の強襲揚陸艦ワスプ(LHD-1)に搭乗した米海兵隊のF-35B地上要員は、最新の3Dプリント戦闘機部品を誇らしげに展示したが、この「偉業」を成し遂げるのに中国製の3Dプリンターが使われていたことは、ほとんど知られていなかった。偶然にも、当時ワスプはアジア太平洋地域で哨戒中だった。事故の原因は、艦載機のF-35B短距離垂直離陸ステルス戦闘機のハッチのプラスチッククリップが破損したことだが、新型機のため米揚陸艦が搭載するF-35B関連部品の数は哀れなほど少ない(米海兵隊のF-35Bは2015年7月末に「初期戦闘能力」を備えていたが、現在F-35Bを搭載しているのはワスプ、エセックス、アメリカの3隻のみで、全面的な交換はまだ完了していない)。




南極のクマ

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