京都大学病院は臨床試験で3Dバイオプリンターを使用して損傷した指の末梢神経を再生している

京都大学病院は臨床試験で3Dバイオプリンターを使用して損傷した指の末梢神経を再生している
2022年3月29日、南極熊は、今年1月に日本の京都大学が末梢神経損傷の新たな治療法として、生物学的3Dプリンターを用いた神経再生技術の開発に成功したと発表したことを知った。同時に、この技術を使った臨床試験を行う計画も発表された。
△3D神経導管完成までの大まかな流れ(出典:京都大学ニュースリリースPDF)

この成果は、京都大学医学部附属病院整形外科の松田修一教授、リハビリテーション科の池口亮介准教授、京都大学大学院医学研究科人間健康科学専攻の青山智樹教授、再生医療ベンチャーのCYFUSEによる共同研究チームによって得られたもの。関連する3つの論文は、米国のオンライン科学誌「PLoS ONE」、米国の医学誌「Journal of Reconstructive Microsurgery」、同じく再生医療を扱う医学誌「Cell Transplantation」に掲載された。

現在、末梢神経損傷の主な治療法は「自家神経移植」であり、患者自身の健康な神経を犠牲にすることを意味します。自家神経を犠牲にせずに治療を行うために人工神経の開発も進められていますが、自家神経移植を上回る成果はまだ得られておらず、広く普及していません。

松田教授が勤務する京都大学医学部附属病院形成外科では、末梢神経損傷の治療に人工神経を利用する研究を行っている。しかし、人工神経には再生する軸索を導くために必要な細胞成分やサイトカインなどの環境因子が不足しているといわれており、自家神経移植に比べて良好な結果が得られていない。

こうした中、松田教授らは、バイオ3Dプリンティング分野の第一人者である佐賀大学の中山耕一教授と、中山教授が開発した技術を基盤とした医療系スタートアップ企業「CYFUSE」と共同研究を進めた。

生物学的3Dプリント技術を用いて、細胞のみで作られた3次元神経管をマウスの坐骨神経損傷モデルに移植し、従来の人工神経よりも優れ、自家神経移植にも劣らない結果を得ることに成功しました。線維芽細胞によって作製された三次元神経導管からのサイトカイン放出と血管新生によって軸索再生が良好に誘導され、これがこの良好な結果につながっていると考えられています。

京都大学医学部附属病院形成外科は、バイオSDプリンターで作製した3次元神経管を指の外傷性末梢神経損傷に移植する医師主導の臨床試験を実施する予定だ。

この手術では、3Dバイオプリンターを使用して作成された管状(中空構造)の3次元神経導管を移植し、断裂した末梢神経を接続します。断裂した神経は、3次元神経ガイド内で再生して伸び、最終的に接続されます。臨床試験の同意を得た後、患者の腹部や鼠径部から皮膚を採取し、約2カ月かけて立体的な神経管を作製し、神経損傷部位に移植する。


△指の骨折による末梢神経損傷の治療に生体3Dプリンターで作製した3D神経導管を移植するイメージ図(出典:京都大学ニュースリリースPDF)

対象指の外傷性末梢神経損傷などの各種病態は以下のとおりです。

外傷などにより手首関節より遠位に位置する末梢神経の断裂・欠損

傷害の日から6ヶ月以内

人工神経移植や自家神経移植を希望しない方

同意時に20歳から60歳までの男女

再生医療の研究は絶えず進歩しており、ますます知られるようになってきています。この生物用3Dプリンターで作製した3D神経管を移植する再生医療技術は、すでに臨床試験段階にある。近い将来、誰でも受けられる一般的な治療法となるでしょう。末梢神経の損傷により指が思うように動かない痛み、自家神経移植で神経を抜いた場所に残る痛みなど、多くの人が苦しんでいる痛みが近い将来解消されるでしょう。








日本、医療、神経学

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